PJG工法®研究会

PJG-Twins工
PJG-ST工法 / PJG-LT工法

「PJG-ST工法」「PJG-LT工法」は、PJG工法の基本技術を踏襲し更に高速化を実現させた。円柱状ロッドを使用し、先端モニターの側部に噴射ノズルを2箇所設け、地盤の切削に有効に働く二つの超高圧噴流体で地盤を2箇所同時に切削できるため、高速施工を可能とし工期の短縮を図り、回転数を少なくすることで大口径の改良体を造成することができる工法です。

特 長

  • 工期の短縮

    吐出圧力、吐出量を増加した噴射エネルギーにより地盤を二方向同時に切削する為、柱状の造成を短時間で施工できるので、工期を大幅に短縮できる。

  • 環境保全性が高い

    使用する硬化材はセメントが主体であるため、安価で無公害な材料である。また、改良条件に応じた施工径の造成ができる為、硬化材使用量の減少を図ることができ、結果として排泥量も減少でき、資源の無駄遣いを解消できる。

  • 経済的である

    改良条件により改良径の調整が幅広く(φ1400mm~φ5000mm)できるので、無駄のない経済的な施工が可能と成る。

  • 信頼性が高く容易な施工管理

    超高圧ジェットエネルギーを利用して確実に地盤を切削し、その切削土砂を混合充填する形で造成する方法である。現場技術者の個人差による影響はほとんど無く、施工管理が容易である。

  • 目的に適合した強度

    改良強度は、目的に応じて硬化材の選定により適合した強度を得る事ができる。

  • 品 質

    噴射硬化材に特殊混和材を添加することにより、ソイルセメントの品質が向上し、よりよい改良体が形成できる。

  • 相互の密着性

    有効径以内に施工ピッチを設定すれば超高圧ジェットのブラスト効果により杭相互の密着性が非常によく、近接物の形状に沿った付着造成体が出来る。

  • コンパクトな設備

    狭い場所でもコンパクトな機械で施工でき、空頭制限のある場所や、路下、狭隙な場所でも施工が可能である。

安全率

施工箇所施工目的安全率 Fs
土留欠損・歯抜け部 横矢板等の防護工と併用1.0
 本工法のみで自立2.0
シールド工、推進管の発進・到達 シールド工、推進管の路線防護1.0
 シールド工、推進管の発進到達防護1.5
立坑等の底盤部 ヒービング等の防止1.5
 ボイリング等の防止1.5
 土留根入れの補強1.5
シールド工地中接合部 地中接合部防護(素堀り)2.0
構造物基礎 半永久的な使用3.0

硬化材

PJG-1号・PJG-3号
セメント系が主で、地盤強化、止水等を目的として高強度が見込める。
PJG-2号・PJG-4号
セメント系が主で、セメント量により強度を弱めることを目的として中強度から低強度が見込める。
計画基準強度は、PJG-1号の60~80%程度。
PJG-5号
PJG工法専用固化材で、特殊土用であり、確認試験の実施を原則とする。

硬化材の標準配合

混和剤A:流動化剤 混和剤B:分散(解泥)剤
PJG-1号
セメント760Kg
混和剤A12Kg
749Kg
PJG-2号
セメント600Kg
混和剤A9Kg
802Kg
PJG-3号
セメント760Kg
混和剤B16Kg
746Kg
PJG-4号
セメント600Kg
混和剤B12Kg
800Kg
PJG-5号
専用固化材760Kg
混和剤A16Kg
737Kg
※PJG-3号、4号は粘性土地盤の攪拌効率を良くするものである。【高粘着土に適用(c>30kN/㎡を目安)】
※混和剤B混入量については、施工及び土質条件によって増減することがある。
※表中のセメントは普通ポルトランドセメントであるが、高炉セメントB種を使用する場合また、使用する混和剤の密度を確認の上、補正するものとする。

PJG-Twins工の設計基準強度

単位(MN/㎡)
硬化剤PG-1号、3号、5号PG-2号、4号
土質砂質土粘性土砂質土粘性土
一軸圧縮強度3120.7
粘着力 C0.50.30.40.2
付着力 f1/3C1/3C
曲げ引張強度2/3C2/3C
弾性係数E5030010020070

施工仕様

工法PJG-ST工法PJG-LT工法
吐出仕様40MPa-200L/分
(100L×2)
40MPa-400L/分
(200L×2)
有効径φ1.4m~φ2.4mφ2.4m~5.0m
改良強度
(高強度型)
砂質土:3MN/㎡
粘性土:1MN/㎡

有効径と引上げ速度

PJG-ST工法

土質(N値)有効径
D(mm)
引上げ速度
ν(分/m)
回転数
(rpm/分)
噴射仕様
砂質土粘性土
N≦40N≦3φ14004.02.5 ~ 10.0 超高圧硬化材
噴射圧力
40MPa
吐出量
(0.1㎥/分×2)
0.2㎥/分

圧縮空気
吐出圧力
0.6MPa以上
吐出量
(2㎥/分×2)
4㎥/分
φ16005.02.0 ~ 8.0
φ18006.01.6 ~ 6.7
φ20007.41.3 ~ 5.5
φ22009.01.1 ~ 4.5
φ240010.70.9 ~ 3.8
40<N≦803<N≦5φ14004.32.3 ~ 9.4
φ16005.51.8 ~ 7.3
φ18007.01.4 ~ 5.8
φ20008.51.1 ~ 4.8
φ220010.40.9 ~ 3.9
φ240012.30.8 ~ 3.3
80<N≦1205<N≦7φ14005.41.8 ~ 7.5
φ16007.01.4 ~ 5.8
φ18008.61.1 ~ 4.7
φ200010.60.9 ~ 3.8
φ220013.00.7 ~ 3.1
120<N≦1607<N≦9φ14007.31.3 ~ 5.5
φ16009.31.0 ~ 4.4
φ180011.60.8 ~ 3.5
φ200014.30.6 ~ 2.8
a.
標準設計有効径は理論値に基づいて算出した有効径であり、現場に於いて施工した杭の測定結果で標準設計有効径との違いがある場合は、その都度引上げ速度の調整を行う必要がある。
b.
砂礫については、N<50は砂質土有効径の10%減を基本とする。
c.
砂礫のN>50と腐植土については、十分検討の上、決定する必要がある。(試験施工等)
d.
適用深度は30m以内の有効径とする。深度が30mを超えるものや、粘着力が0.05MN/㎡以上の場合、試験施工等で有効径を確認する事が望ましい。
e.
揺動施工の場合、引上げ速度は次式による。

νθ=θ/360×ν×1.1
ν:引上げ速度 νθ:揺動引上げ速度 θ:揺動角度
※ 算出した引上げ速度は、小数点1の位に切り上げとする。

PJG-LT工法

土質(N値)有効径
D(mm)
引上げ速度V
(分/m)
回転数
(rpm/分)
切削力
砂質土粘性土
N≦40N≦3φ24004.02.3 ~ 9.6 超高圧硬化材
噴射圧力
40MPa
吐出量
(0.2㎥/分×2)
0.4㎥/分

圧縮空気
吐出圧力
0.7MPa以上
吐出量
(3.0㎥/分×2)
6.0㎥/分
φ26005.02.0 ~ 8.0
φ28005.71.7 ~ 7.1
φ30006.61.5 ~ 6.1
φ32007.51.3 ~ 5.4
φ34008.41.1 ~ 4.8
φ36009.51.0 ~ 4.3
φ380010.50.9 ~ 3.9
φ400011.70.8 ~ 3.5
φ420012.90.7 ~ 3.2
φ440014.10.7 ~ 2.9
φ460015.40.6 ~ 2.6
φ480016.80.5 ~ 2.4
φ500018.20.5 ~ 2.2
40<N≦803<N≦5φ24004.82.0 ~ 8.4
φ26005.81.7 ~ 6.9
φ28006.61.5 ~ 6.1
φ30007.61.3 ~ 5.3
φ32008.61.1 ~ 4.7
φ34009.71.0 ~ 4.2
φ360010.90.9 ~ 3.7
φ380012.10.8 ~ 3.4
φ400013.50.7 ~ 3.0
φ420014.80.6 ~ 2.8
φ440016.20.6 ~ 2.5
φ460017.70.5 ~ 2.3
80<N≦1205<N≦7φ24006.01.6 ~ 6.7
φ26007.31.3 ~ 5.5
φ28008.31.2 ~ 4.9
φ30009.51.0 ~ 4.3
φ320010.80.9 ~ 3.8
φ340012.10.8 ~ 3.4
φ360013.60.7 ~ 3.0
φ380015.10.6 ~ 2.7
φ400016.90.5 ~ 2.4
120<N≦1607<N≦9φ24008.11.2 ~ 5.0
φ26009.91.0 ~ 4.1
φ280011.20.8 ~ 3.6
φ300012.80.7 ~ 3.2
φ320014.60.6 ~ 2.8
φ340016.30.6 ~ 2.5
φ360018.40.5 ~ 2.2
標準有効径についての注意書き
a.
標準有効径は理論値に基づいて算出した有効径であり、現場において施工した杭の測定結果で標準設計有効径との違いがある場合は、その都度引上げ速度の調整を行う必要がある。
b.
砂礫については、設計有効径の10%減を基本とし、N>50については、試験施工等で有効径を確認する事が望ましい。
c.
粘着力がC=50KN/㎡以上の場合、プレジェット施工が必要となる。又、試験施工などで有効径を確認する事が望ましい。
d.
N値は改良対象地盤の最大N値とし、深度はGL30.0m以内の有効径である。深度30.0m以上の施工についての有効径は、引上げ速度の10%増しを基本とする。
e.
奇数径の引上げ速度については、偶数径の上下の中間とし、算出した引上げ速度は小数第1の位に切上げとする。
f.
揺動施工の場合、引上げ速度は次式による。

νθ=θ/360×ν×1.1
ν:引上げ速度 νθ:揺動引上げ速度 θ:揺動角度
※ 算出した引上げ速度は、小数点1の位に切り上げとする。

プラント標準図

PJG-LT工法
番号機械名規格・性能台数
セメントサイロたて型 30t1
グラウトミキサーTMP-1500-APK1
補助加圧ポンプNSK-382
モルタル流量計MPF-0012
超高圧ポンプSG-2002
発電機300KVA2
エアーコンプレッサー190HP1
発電機150KVA1
水タンク20㎥1
泥水タンク20㎥1
土砂タンク5㎥1
マッドスクリーンTM-1001
削孔ポンプMG-25TV1
発電機125KVA1
バキューム車大型
セメントローリー車大型
特殊混和材置場

施工手順(PJG-Twins工)

標準施工フロー

  • ① ガイドホール先行削孔(φ140mmケーシング)

    計画改良体の下端+モニター余長まで削孔を行う
    ※必要に応じて削孔完了後、ケーシングの
    鉛直精度を確認(孔内傾斜計を使用)

  • ② 二重管ロッド建込み (造成専用ロッド)

    二重管ロッド建て込み後、ケーシングを引抜く

  • ③ 水によるテスト噴射、改良層下端噴射

    初期噴射により切削圧力・吐出量を確認する
    ロッド回転速度、ロッド引上げ時間の確認

  • ④ PJG-Twins工造成状況

    初期噴射により切削圧力・吐出量を確認する
    排泥排出量の確認
    ロッド回転速度、ロッド引上げ時間の確認

  • ⑤ 造成完了、二重管ロッド引抜き

    片付け、次孔にPJG専用マシンを移動